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不眠を解消する方法 

2017年のノーベル医学生理学賞が10月2日に発表され、体内時計研究者であるジェフリー・ホール、マイケル・ロスバシュ、マイケル・ヤングの3氏が受賞決定者に選ばれました。

それ以来「体内時計」ということに関心がもたれるようになりました。

 

人体の営みは体内時計によってその活動が促進され抑制もされています。

その体内時計と人体の関係が端的に現れるのが海外旅行をしたときの「時差ぼけ」です。

 

体内時計が夜になると体と心を昼の活動の状態から夜の休息の状態に切り替えて、自然な眠りへ導くようリズムを刻んでいます。

 

しかし、乱れた生活習慣により、このリズムも乱れてしまいます。

よりよい眠りのためには生活習慣を整え、体が正常なリズムを刻むようにすることが大切です。

睡眠不足にならないための日頃の疑問に答えていきましょう。

 

 

朝の光を浴びるとよいのはなぜ

 

 

先生、早起きをするととても気持ちが良いですし、私は早朝にヲーキングをしています。そのおかげか夜は眠くなりやすいです。やはり早起きすることは効果があるのでしょうか?
それは単純に早起きだから眠くなるという理由もありますが、朝の光を浴びているからです。メラトニンというホルモンの働きの影響です。

メラトニンが体内時計に働きかけて、覚醒から睡眠へと切り替えられ、自然な眠りを誘うのです。メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。

 

朝、光を浴びると、脳にある体内時計の針が進み、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。また、体内時計からの信号で、メラトニンの分泌が止まります。

メラトニンは目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。 徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。

 

このメラトニンは眠りを誘うほかに、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促し、疲れを取ってくれるために、病気の予防や老化防止にさまざまな効果を持つと考えられており、注目されているホルモンの一つです。

 

 

寝だめでは睡眠不足が解消できない

 

 

先生、睡眠不足だった頃に休日にたくさん寝てもなかなか解消されなかったのですが、なぜでしょうか?
1日を活動的に過ごすと、夜、心地よい疲労感で自然と質の良い眠りになります。

2日連続のお休みなら、2日目はいつも通りの起床を心がけましょう。

 

寝溜めをすることのデメリットとして一番考えられるのは、睡眠のリズムが崩れてしまい、夜眠れなくなってしまい夜更かしをし

結局寝不足になってしまったり、質の良い睡眠が取れなくなってしまうという悪循環が考えられます。

次の1週間のリズムを整えることにもつながりますので、毎日の睡眠の習慣化を心がけましょう。

 

 

 

「朝食ヌキ」はなぜよくないのでしょうか?
ダイエットをしている人は朝食は抜いてはいけません。ダイエットに関心がある方なら、ダイエットには体の基礎代謝を上げることが必須条件んだということは理解されていると思います。基礎代謝とは、生命機能を維持するために体が必要とするエネルギーのことです。

朝、運動をしていないときの消費エネルギーが増えれば、太りにくく、やせやすい体へと近づきます。その基礎代謝を上げるためのポイントが体温です。朝食を摂り、体温が上がると、基礎代謝で消費するエネルギーが増加することにつながります。

 

 

昼寝はなぜ20分程度がよいのでしょうか?
昼寝を長時間すると、睡眠ホルモンのリズムが崩れて夜の寝つきが悪くなるからです。

昼間は活動するように体のサイクルができているにも関わらず、昼寝をする時に、ぐっすりと眠ると、脳と体がお休みモードの状態を作ってしまうことになるからです。

 

 

夕方に軽い運動をするのはなぜよいのでしょうか?
運動は、寝る3~4時間前までに終わらせましょう。運動中は交感神経が優位な状態で脳が興奮しており、就寝直前に行うと眠れなくなってしまう恐れがあります。

就寝前は、副交感神経が優位な状態で、心身共にリラックスしている必要があります。身体がお休みモードに入っていることが大切なのです。

また、体温にも関係しています。人は身体の深部体温を下げることで眠りにつきます。しかし、運動直後の体温が上昇している状態では、なかなか体温を下げることができず、寝付くのに時間がかかってしまうのです。

このことから、運動は、寝る3~4時間前までには終わらせておくことが大切です。

 

 

寝る直前に食べない方がよいのはなぜでしょうか?
食べたものを消化吸収するとエネルギーとなり体温が上昇します。質の良い眠りは体温が下がることが条件です。活動モードの交感神経が優位になり入眠の体制になれないからです。

 

 

寝る前にお茶やコーヒー、タバコなどをとるのはなぜよくないのでしょうか?
コーヒーを飲むと睡眠の妨げになりますが、その理由はコーヒーにカフェインという成分が入っているためです。コーヒーを飲むとカフェインが交感神経を刺激します。

交感神経が刺激されることにより、血液中のアドレナリンが増加して血糖値、脈拍、血圧が上昇します。それが結果として、眠れなくなる現象につながるのです。一般的にコーヒーを飲んでからその効果が出るまでの時間は15分〜30分くらいであると言われています。就寝する2時間位前には飲まないようにするのがいいでしょう。

 

 

ぬるめのお風呂がよいのはなぜでしょうか?
寝つきをよくするのに、最も効果的とされているのが入浴です。シャワーではなく、湯船につかって全身を温めるようにしましょう。入浴する時間の目安は、寝る1時間ほど前までにしてください。お湯に入る時間は最低30分間は温まってください。湯船の温度は38〜40度のぬるめに設定して、全身の筋肉を弛緩させことが大切です。副交感神経が優位に働きやすくなりお休みモードになります。

入浴によって身体の内部の温度(深部体温)がいったん上がり、入浴後、深部体温が下がるときに、うとうとした眠気を感じやすくなります。この深部体温の変化が、心地良い入眠を誘うのです。入浴後は水分が不足気味になるため、寝る前に水分補給を行うようにしましょう。

 

 

寝酒はなぜよくないのでしょうか?
アルコール摂取の2〜3時間後、体内でアルコールが分解されるとアセトアルデヒドという物質になります。この物質は交感神経を優位にします。例えば、眠る30分前にお酒を飲むと仮定します。そうすると、眠り始めてから2時間前後に体内でアセトアルデヒドが発生します。つまり、休息に入ったとたん、脳と身体が興奮状態になるのです。その結果、眠りが浅くなります。

また、日本人を対象にした調査によると、週1回以上のペースで眠るために飲酒をするのは、男性では48.3%、女性では18.3%もいたそうです。さらに、寝酒の習慣があると睡眠が浅くなり、夜中に目が覚める(中途覚醒)ことが多いと報告されています。

だからといつて夜のお酒は全面禁止!ということではありません。

就寝の3時間前の晩酌であれば睡眠への悪影響は少なくなります。そのため、浅い眠りを気にしているのなら、お酒は就寝の3時間前には飲み終えるようにしましょう。

しかし就寝の3時間前の晩酌であれば睡眠への悪影響は少なくなります。浅い眠りが気になる人は就寝の3時間前には飲み終えるようにしましょう。

 

 

寝る前のパソコンやテレビはなぜいけないのでしょうか?
朝と昼はブルーライトを含む光をしっかり浴びる、夜はブルーライトを避けることが大切なことです。

寝る3〜4時間前から照明を暗くするのが理想的です。

パソコンやスマートフォンを夜間に使用するときにはブルーライトをカットしましょう。また、LED照明が白過ぎる時は光を調整してください。

 

 

まとめ:

不眠症を解消するために薬やサブリメントに頼り過ぎて依存症になっている人は案外多いものです。もちろん薬やサブリメントの助けも必要です。それと同時に生活習慣を見直して体内時計をリセットすることも大切なことです。原因のない結果はありません。

この際、不眠の原因を見つめ直してみてください。皆さんの不眠解消の手助けになれば幸いです。